東日本大震災からもうすぐ4年

モガール和子Kazuko Moghul

2011年3月11日に起きた東日本大震災から、間もなく4年になる。私は石巻市の小さな町で生まれ育ったのだが、父の商売がら町のほとんどの人たちと交流があり、町ぐるみが大家族のようで、その中で分け隔てなく育てられた。 そしてあの日、一瞬のうちに町は海に沈み、大家族は生と死とに分散してしまった。今はその町はさら地になり、潮が満ちてくると海と一体化してしまい、どこに何があったのかさえ分からない。

長年住み慣れた愛着のある家を、そして大切な愛する人を失った人たちが、足の置き場もないほどの小さな仮設住宅に住み始めてもう4年。こんなに長く住むなどとは想像だにしなかったに違いない。 私の近所に住んでいた知り合いは、「我が部屋は10歩もあれば全て用足りる、また人生一丁上がりの身であれば今更何の高望みも無く、その日その日をなんとなく過ごせればそれもよし、流れに棹をさせないようで、半分世捨て人でもあります。なんにも不満は無いのです。 このままここで人生の幕を引いてもよいとさえ思っています。」そんな内容のメールをくれた。

4年も住んでいれば、彼のような心境になるのでしょう。彼のように達観した人はいいのだが、大きな家から極端に狭い仮設住宅に住まわざるを得ない人たちの中には、心的外傷後ストレス障害、所謂PTSDを発症したと思われる人たちが出てきたというニュースも耳に入った。その人たちへの心のケアの専門家は足りているのだろうか?

彼の住む仮設住宅の近くの田んぼが、集団移転の復興住宅地になったは良いが、地盤強化工事が手間取っていて、後2年もかかるという。 震災から6年もかかるのだ。 仮設住宅暮らしの住民のほとんどは高齢者のようだ。というのも新地で新築の家を建てたところで、その家に何年住めるか疑問だというお年寄りは、このまま仮設にいた方が良いという。

明るいニュースもあった。仙台から石巻を結ぶ仙石線が5月30日に全線開通となる。震災前は通勤、通学で賑わっていたが、震災で寸断され、電車とバスとでの運行だったのだが、これで以前のような賑わいを戻すことになりそうだ。

東日本大震災と聞くと、4年前のことなのに何だか遠い昔のことのように思える。被災者家族の私でさえそう思えるのだから、風化していくのは当たり前のことなのかもしれない。3月19日にJCCCで、又3月21日にはトロント大学のInnisで「長面—きえた故郷」のドキュメンタリーフィルムの上映をする。震災で未だに傷ついている多くの人たちがいることを、今一度思い起こしてもらいたい。

nagatsuraengfinal2
編集部注:
http://www.nagatsurahomewithoutland.com/

入場料:$10 : コンタクト 647-297-8028 (Moghul)/647-784-6141(Nakao)
詳細の連絡先: makiko.ishihara@gmail.com

3月19日(木): 午後6時開場 午後7時開演 3月21日(土):午後2時開場 午後3時開演
Japanese Canadian Cultural Centre (JCCC)
6 Garamond Ct., Toronto
Innis Town Hall, University of Toronto,
2 Sussex Ave.

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