健康志向:季節の食材選びの心得・食欲の進む食卓の工夫

橋本なぎさ — 料理人、ケータリング及び・レストランCoo cafe bread or rice 経営者HEALTHY EATS1

だいぶ旧聞に属する話になりますが、私がカナダに来たばかりの頃 (10数年前の話ですが) カナダの新聞(The Globe & Mail )に、「日本人は季節を24 に分け、如何に季節感を大切にするか」と言った趣旨の記事が載っていました。それを読み、私が二十四節気について調べなおしたほどですから、今日の若い世代の人達に、その意識が浸透しているかは、はなはだ疑問ですが・・。

前置きが長くなってしまいましたが、本題に入りましょう。
先にも言いました通り、現代人の季節感は乏しくなっています。食材を選ぶ上でもしかりですよね。買い物に行けば、同じ食材が通年あるわけですから、今日び季節を感じることはなかなか難しいことだと思います。とはいえ、春になれば新緑を喜び、桜餅などに舌鼓を打ち、暑くなれば、冷たい麺などで涼を取るわけです。先人の英知、季節感が脈々と受け継がれていることも揺るがしがたい真実です。

私ごとになりますが、拙宅の庭でささやかながら、 家庭菜園をここ数年行っております。家庭菜園を始めて以来、季節の移ろいをより感じられるようになりました。今年は、枝豆や茄子、 シソなどを植えたのですが、実などが採れ始める俗に言われる「走り」の頃は、心情的にはなんとも嬉しいものですが、概して風味に乏しいものです。

日々の移ろいと共に食材は「走り」「盛り」「名残り」と移行します。食材の風味も日々変化することを、家庭菜園を通じて再認識しております。散歩道でも、季節の移ろいを感じながら歩くと楽しいものですよね。

毎日のお買い物も同様です。大手スーパーマーケットでは難しいかもしれませんが、小さなスーパーマーケットなどに足をのばしてみては如何でしょうか。私が好きなイタリア系のスーパーマーケットは、秋が深まってくると、栗や柿が並びます。春になると空豆が出回ります。季節感に乏しいトロントの食材ですが、細部に目を凝らすと捨てたものではありません。

HEALTHY EATS2旬のものを頂くということは、自然の摂理に沿うことにもなります。寒くなって来たこれからの季節は、根菜が旨みをまします。東洋医学では、根菜の多くは身体を温める食材と捉えられています。これもまた、先人からの知恵の継承と言えましょうか。

買い物先、仕事からの帰り道、落ち葉や枝を拾ってみて下さい。部屋もしくは、食卓の何処かに置くだけで雰囲気も大分変わるものです。「二四節気」を感じる日本人の遺伝子に、きっと響くはずです。楽しみながらやってみて下さい。

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