ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)は、カウンセリングやその他のプログラムの提供を通じて、トロント周辺地区とその他のオンタリオ州に住む、日系カナダ人、また日本語を話すコミュニティを支援するために活動しています。私たちは、一人ひとりがそれぞれの必要を満たし、また望む形で生活できるようお手伝いしています。

JSSは、カナダ国が認定した非課税慈善団体です。(国税庁登録:#13338-8710-RR001)

ミッション

専門性の高い、また文化的に適したサービスを通じてコミュニティの皆さまの支援すること。

ビジョン

  • JSSは貧困、孤立、虐待、差別のない、バリアフリーのコミュニティを目指す。
  • JSSは日系コミュニティの一人ひとりがそれぞれの力を発揮できるよう支援する。 
  • JSSは日系コミュニティの一人一人が広く地域社会に溶け込むことを応援する。 

価値

  • エクイティ(結果としての平等)
  • エンパワーメント (一人一人が自分のために行動する力を持てること)
  • コミュニティ
  • 擁護活動
  • 文化的な配慮

ストラテジック・プランの作成

2020年春、JSSは今および将来的な優先課題を検討するため、ストラテジックプランの作成に入りました。スタッフと理事への聞き取りと、会計を含む組織に関する様々な文書の確認、またJSSの他に日系コミュニティをサポートしているサービス、グループの概要をまとめ、検討しました。このストラテジック・プランの目標は、JSSが将来も組織として成長し、より良いサービスを提供していけるように、現在の優先課題と全体的な方向性を見出すことでした。

このストラテジック・プランが作成された背景には以下の要素があります。

  • JSSは20年以上にわたって、コミュニティの中でも最も困難な状況にある人たちを支援しており、特に現在のパンデミックの中で、私たちのサービスに対するニーズは高いものがある。
  • JSSはオンタリオ州内で唯一の日本人、日系カナダ人向けにソーシャルサービスを提供することを目的に活動している慈善団体として、コミュニティの中で特別な役割を果たしてきた。
  • ニーズの高さに関わらず、JSSの財政状況は厳しいものがあり、特に最近数年の歳入の減少によりスタッフの時間と提供できるサービスを削減せざるを得ない状況にある。
  • JSSのカウンセリングとその他プログラムは専門的な訓練を受けたスタッフにより提供されており、利用者からは高い評価を受けている。新型コロナの影響で事務所を閉鎖した後も、オンラインでの形に移行したうえでサービスを続けてきた。これらはJSSの活動の核である。 

現在の状況を踏まえ、スタッフ・理事会を交えての検討を重ねた結果、この先5年間のJSSにとっての最重要課題として以下の三つの分野に集中して取り組むべきとの結論に達しました。これらは、現在最も緊急な課題であると同時に、これらに適切に取り組むことで、JSSが将来にわたりコミュニティとクライアントのニーズに応えるべく活動する、能力の高い、評判の高い組織になることを可能とするものと考えます。 

これらの分野はお互い密接に関連しており、一つの分野に取り組むことで別の課題の改善につながることや、または二つの課題に同時に取り組む必要があることもあります。そのため、この文書では別個に挙げられていますが、関連性を理解することは重要です。 

優先課題

I. 財政的な持続可能性を高めること

ほとんどの非営利組織にとって、資金集めは重要な課題ですが、今のJSSにとって、財政的な状況を改善することは最も緊急を要し、重要な戦略的課題です。

現在の財政的に厳しい環境の中でJSSが存在し続けるには、現在の歳入源を多様化することは極めて重要です。さらに、コミュニティには今の活動で応えられていないニーズがあることも考えると、安定した財政的状況を確立することは、最も難しい状況にいる人達をさらに支援できるよう私たちのサービスを適応、拡大していくためにも必要なことです。

JSSの活動は政府機関からの助成金とコミュニティの寛大な支援によって成り立っています。現在の年間予算約14万カナダドルのうち、二つの政府機関からの補助、すなわち日本総領事館を通じての日本政府からの助成金(2020年には4万1625ドル)とトロント市からの助成金(年約3万2千ドル)と)が年間予算の約半分を占めています。そして残りの予算半分のほとんどが、財団、または個人からの寄付となっています。私たちの財政状況が厳しい理由の一つは、長期的な安定性のない、一年ごとの助成、寄付に依存せざるを得ない状況にあることです。寄付の減少により2019年にスタッフの時間、また提供できるサービスを削減するに至ったことは特に懸念されることです。

今後の課題についての話を重ねるなかで、これから新しい支援者、資金源を求めるにあったって以下のような可能性が提案されました。

  • 年間のファンドレイジング計画を作る。
  • 新規にJSSを財政的に援助してくださる人を模索する。JSSを長く支援してくださっている人には日系二世の方が多く、この世代の高齢化により、新しい世代、特に新移住者の中でJSSへの支援を求めることが重要。
  • 過去にJSSをサポートしてくださった人との関係を再構築し、また、現在寄付してくださっている人と関係を維持する。
  • 企業の寄付プログラムの可能性を探る。また、ファンドレイジングをサポートしてくれるボランティアを募る。
  • 現存のファンドレイジング活動(べーくセールや夏祭りなど)は続ける。これらの活動はコミュニティの中でJSSが広く認知されるためにも重要。
  • 比較的小規模で、日系コミュニティに特化した組織としての難しさは理解しながらも、可能な範囲で助成金の申請の機会を探る。

II. コミュニティにおける認知度を高めること

JSSのコミュニティにおける認知度を向上させる目的は次の2点があります。

  1. 日本からの新移住者や短期滞在者にも、JSSおよびそのサービスが身近で利用しやすい存在となることが必要であること。
  2. 社会一般、また特に新日系カナダ人および既存の移住者コミュニティにおいてJSSの知名度が広まることは、ファンドレイジングに注力していく上で、潜在的な支援者やドナーの獲得に有効となること。

これを推進するにあたり、以下の活動を行っていきます。

  • ウェブサイトの刷新:サービス利用者、既存および潜在的な支援者、その他JSSのサービスに興味を持つ人々がより容易に必要な情報を得られるようにする。ウェブサイトの改定には、オンライン支払方法の簡易化など利便性の向上を含む。
  • JSSニュースレターおよび他のコミュニケーション・ツールの戦略的な活用:ニュースレターは現在、JSSおよびその活動をコミュニティに伝える最も主要な手段の一つである。2020年秋には、テンプレートおよびガイドラインの改定が行われ、サービス利用者、ボランティア、支援者、寄付者を含む読者のユーザー・エクスペリエンスの改善が図られた。
  • 新ロゴを含むブランディング戦略の検討
  • 新しい提携・協力機会の探索:JSSはこれまで、日系文化会館(JCCC)、モミジ・ヘルスケア・ソサエティーおよび在トロント日本領事館等の外部団体とパートナーシップを結び協力体制のもとにサービスを提供してきた。JSSは今後も、これらの団体、および他の団体との提携を推進し、サービスの強化と広範化に努める。
  • ドナー・リレーションの強化改善:寄付がどのように使われているかを明確に提示し、運営の透明性・アカウンタビリティを高める。透明性の改善により、JSSのサービスおよび寄付金の有効利用を可視化し、既存のドナーとの信頼関係を強化する。

III. コミュニティから信頼される団体となること

JSSはこれまで20年以上の間、コミュニティのセイフティー・ネットとして、様々な障壁や困難に直面した人々のサポートを行ってきました。私たちのサービスは、カナダの一般向けの支援システムの手が届かないギャップを埋めてきたといえます。またJSSは、在トロント日本領事館をはじめとし、日本人学生や短期滞在邦人をサポートする諸団体からのサービス依頼、クライアントの紹介などにも対応してきました。JSSの運営は、エギュゼキュティブ・ダイレクターを雇用せず、少人数のスタッフと、ボランティアからなる理事会役員によって執り行われています。今後も私たちは現在の課題に取り組みながら、更に質の高いとクライアント中心のサービス提供していくためのキャパシティの拡大に努めていきます。具体的には、以下を目標として掲げています。

  • スタッフの労働時間やその他の資源の配置の最適化
  • 専門性およびクオリティの高い、クライアント中心のサービス提供を目指した人材育成・投資
  • 可能な限り利用者にとって利便性の高い、アクセスしやすい形で、遠隔(リモート)でのカウンセリングサービスとプログラム提供の継続
  • 私たちの活動がコミュニティのニーズにに対応し、価値のある、またアクセスしやすいものであり続けられるように現在のサービスと、コミュニティのニーズを再確認する
  • スタッフと理事会が、組織のミッションと目的を果たすため、開かれた協力関係を築くこと。
  • スタッフと理事会の中でこれらの優先事項を実行できるようなリーダーシップを築くこと。

JSSの歴史

2000  JFSから ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)へ名称変更。現在に至る。

1998  JFS活動の一部を再開

1996  資金難により、やむをえず活動を中断

1990  JFSが非営利団体として認可される

1989  JFSが法人組織として認可される。社会福祉関係サービスの必要性を認識する。

1989  日系コミュニティーについての現状調査を完了。その結果、日本語による

1988  ジャパニーズ・ファミリー・サービス・オブ・メトロポリタン・トロント(JFS)第1回年次総会の開催。

1987  社会福祉団体設立に向け、準備委員会活動開始

会計報告

理事の紹介

名前 役割
アティヨタ 佐藤 由香 会長、人事委員、広報・基金調達委員
三谷 千鶴 書記、プログラム委員長
甲斐 まこと 会計/財務委員長、人事委員
世古 由香里 広報・基金調達委員長
奥野 敦昌 広報・基金調達委員
櫛田 丹 プログラム委員
ラリー岩本(アドバイザー) 人事委員長、財務委員