オンタリオ州の労働者、多数が有給病気休暇の権利なし

* This is a translation of “Many workers in Ontario have no right to paid sick leave” published in April 2016, produced in English by CLEO (Community Legal Education Ontario). Japanese Social Services is wholly responsible for the accuracy of this translation, produced with permission of CLEO.
* 以下の情報は、Community Legal Education Ontario (CLEO)より許可を得て、「オンタリオ州の労働者、多数が有給病気休暇の権利なし」(2016年4月発行)を翻訳・掲載しています。翻訳の質に関しては、Japanese Social Services が責任を担っており、CLEO の関与するところではありません。

CLEO-apr-2016

 

オンタリオ州の労働者、多数が有給病気休暇の権利なし
最近のレポートでは、有給での病気欠勤ができないことによる労働者への様々な悪影響が指摘されています。労働者が欠勤できずにいると病気は周囲に移って広がり、勤務時間内に医者にかかれない人々は病院の救急外来に行くようなことになります。
今月のOn the RadarではOntario’s Employment Standards Act(オンタリオ州労働基準法)における規定の対象となる人々が利用できる個人緊急休暇について、およびその規定のどういった点が多くの労働者のニーズを満たしていないのかについてお話します。

病気休暇取得の権利
The Employment Standards Act (ESA) 〜雇用基準法〜 において一部の労働者には年間最大10日までの「個人緊急休暇」の権利が認められています。この権利が適用されるのは、以下の条件を満たす労働者です。

個人緊急休暇は、中小企業の労働者には適用されないため、オンタリオ州の160万人もの労働者が対象外と推測されます。これはほぼ労働者の3人に1にあたり、そのうち多くの人が小売業、飲食業、医療、その他一般市民と接触する分野の労働に従事しています。
ESAで定められている他の規定が、病気もしくはその他の緊急事態で10日以上の休暇を必要とする労働者に適用されるかもしれません。

有給休暇について
ESAは、雇用主が個人緊急休暇を取得する労働者に給与を支払うようには規定していません。ただし、以下の条件によって支払いを受ける権利がある場合があります。

  • 労働者が労働組合に所属している
  • 労働者の職場規定に上記の権利を付与することが記載されている、もしくは記載されている雇用契約書を有している

個人緊急休暇取得
個人緊急休暇は労働者本人、または家族の者に病気、怪我、および医療上の緊急事態が発生した場合に使用することができます。
また、労働者は上記休暇を家族の者に「緊急事項」が発生した場合にも取得できます。ESAにおいて、何が緊急事項にあたり、誰が家族の者とみなされるかについて規定されています。

雇用主に対する証明
雇用主は個人緊急休暇の取得に対し、その必要性の証明を求めることができます。そのため、病気休暇を取得する労働者は医師の診断書が必要になることがあります。
これはたとえ労働者の疾患が風邪やその他の医療処置を必要としないものであっても適用されます。そのため、カナダの医療制度におけるコストを増大させていると、医師たちは唱えています
医師の診断書に含まれる事項:

  • 労働者に必要な病気休暇期間、もしくはすでに病気休暇取得後の場合、必要であった病気休暇期間
  • 診察した時期
  • 診断書に署名した医師が、労働者を直接診察したかどうか

ただし、雇用主は診断および治療について知る権利はありません。

法的支援を受ける
ESAにおいて、雇用主は労働者が彼らの権利について尋ねたり、権利を行使することに対して罰することはできないとしています。もし雇用主が、個人緊急休暇について尋ねた労働者や、個人緊急休暇を取得した労働者を罰したときには対処法がある場合があります。
質問がある、または職場での問題に対処するための助けが必要な労働者の方はCLEOのWhere can I get help and advice about my rights as a worker? (どこで労働者としての権利についての支援と助言を受けられますか)をご覧下さい。

改正を求めて
多数の医師を含む、労働者の擁護者がオンタリオ州政府に対し、全ての労働者に医師の診断書なしで有給病気休暇を取得できる権利を与えるように要求しました。
州政府はESAを含む、労働者を対象とした法の見直しを行っており、今春には中間報告書の発行が予定されています。

おわりに:
この記事は一般法的情報をお知らせするもので、特定の状況についての法的アドバイスを得ることに替わるものではありません。

Original Source:http://us4.campaign-archive2.com/?u=acaece29df8d07c95ef84a763&id=fadf517665