離別・離婚後の確定申告(tax return)

* This is a translation of “Filing tax returns after separation or divorce” published in March 2016 produced in English by CLEO (Community Legal Education Ontario). Japanese Social Services is wholly responsible for the accuracy of this translation, produced with permission of CLEO.
* 以下の情報は、Community Legal Education Ontario (CLEO)より許可を得て、「離別・離婚後の確定申告 (tax return)」(2016 年 3 月発行)を翻訳・掲載しています。翻訳の質に関しては、Japanese Social Services が責任を担っており、CLEO の関与するところではありません。

CLEO-mar-2016

 

離別・離婚後には様々なことが変化しますが、どのような税額控除(tax credit)や給付金(benefit)を受けることができるようになるのかということもその一つです。確定申告を行うことによってたとえ申請者の収入が非常に少ない、もしくは全くない場合でもいくらかの給付金が適用されます。
今月のOn the Radarでは、新たに離別・離婚した方が確定申告を行う際に考慮すべきことについてお話します。

2015年度分確定申告提出期限
多くの方々にとっては、2015年度分確定申告の提出期限は2016年4月30日です。
期日に間に合わない場合には、カナダ税務署(CRA :Canada Revenue Agency)から受けるクレジット(給付付き税額控除)や給付金に遅れが生じる可能性があります。さらにはCRAに対する罰金や利息の支払い義務が生じることもあります。

婚姻区分の変更
2015年度分納税申告書では、2015年12月31日時点における申請者の婚姻区分について記載する必要があります。
12月31日あるいはそれ以前に離婚されている場合には”Divorced”にチェックを入れて下さい。
すでに相手との関係が破綻していて、なおかつ以下の全てが該当する場合には”Separated”にチェックを入れて下さい。

  • 別居開始の第1日目が12月31日あるいはそれ以前
  • 12月31日時点において再び同居を開始していない
  • 別居期間が最低90日を経過している

関係が破綻したのが2016年初頭であれば、2015年度の確定申告は関係が継続していた時と同様に記入します。つまり、”Married” もしくは “Living common-law〈コモンロー、内縁関係〉”のどちらかにチェックを入れます。
一度確定申告の際に”Separated” または “Divorced”の区分で申請した人は、その後二度と”Single”として申請することはありません。後に再婚したり、新たなコモンローを開始した場合には”Married” もしくは “Living common-law” として申請することができます。

年間の婚姻区分変更届け
年度内に婚姻区分の変更があった場合にはCRAに届け出なくてはなりません。いつ行うのかについてはルールがあります。
多くの場合、婚姻区分が”Separated” もしくは “Divorced”に変わると税額控除や給付金額が増額されます。これはCRAが以下の事項を決定する際に元パートナーの収入を含まなくなるためです。

  • 一定のクレジットや給付金が受けられるか
  • 受給できる場合はその金額

税額控除(tax credit)と給付金(benefit)
税額控除(tax credit)および給付金(benefit)とは以下を意味します:

  • 申請者の支払うべき税の減額
  • 政府が申請者に支払う給付金

一般的なクレジット(給付付き税額控除)と給付金:

  • Goods and services tax(GST)credit(物品サービス税クレジット)/ harmonized sales tax(HST)credit(統合売上税クレジット)
  • Working income tax benefit (WITB)(就労所得手当)
  • Canada child tax benefit (CCTB) (カナダ児童手当)

物品サービス税(GST = Goods & Services Tax)/ 統合売上税(HST= Harmonized Sales Tax)クレジット
GST/HST クレジットとは、政府による低所得者層に対する年4回の給付金です。
受給額に対する税金を支払う必要はなく、また、このクレジットを受けるための申請手続きを行う必要もありません。

ただし、CRAが給付金支払いを決定する際に、たとえ収入がない場合でも所得税申告書(income tax return)が提出されている必要があります。
婚姻またはコモンロー関係において、パートナーのうち一方のみが当該クレジットを受けることができます。そのため人によっては婚姻・コモンロー関係の期間中に受けたことがなかったということもあり得ます。
ただし、離別・離婚後には受給できる場合があります。これが婚姻区分の変更をCRAに届けるべき理由の一つです。

Working income tax benefit (WITB)(就労所得手当)
WITBは、勤労者もしくは自営業者であり、なおかつ低所得である者に対する手当です。
WITBの取得により税額の減額、還付、もしくはその両方が受けられます。
CRAが受給資格およびその金額を決定する際には以下のような事項についての有無を考慮しています:

  • 配偶者およびコモンロー・パートナー
  • 2015年12月31日時点で同居していた、2015年度におけるWITB受給資格のない19歳未満の子
  • 本人、または配偶者およびコモンロー・パートナーの持つ障害

WITBを受給したい場合には、既定のフォームに記入して確定申告の際に含めなくてはなりません。

Canada child tax benefit (CCTB) (カナダ児童手当)
CCTBにつきましては、来月のOn the Radarでお話しますので、そちらをご覧ください。

援助が必要なとき
税金に関する質問や心配事は、人それぞれ各自の状況により異なります。
例えば、障害を持っていたり、特殊な医療費の支出がある場合、もしくはカナダに移民したばかりなどで確定申告をするべきかどうかわからないということもあります。
確定申告にあたり業者に依頼する金銭的余裕がない方には以下のような無料のサービスがあります。

Original Source(原文):http://us4.campaign-archive1.com/?u=acaece29df8d07c95ef84a763&id=a9afe17d03