水の惑星に生きる私たちと水

石井真美  自然医師Water - Mami Ishii
あなたにとって「水」とはどんな存在ですか?
古代ギリシャの哲学者タレスは「水は万物の根源である」と言いました。実際に、わたしたち人間の体は大人で約60~70%が水から成っているといわれています。生まれたばかりの時は約80%で「ぴちぴち」ですが、年を重ねるうちに老人では50~55%と「かぴかぴ」になっていきます。つまり、老化現象とは脱水症状ともいえます。そして大切な様々な臓器もほぼ水からできています。血液の90%、脳の90%、そしてものを見るための網膜も92%ですから、わたしたちは水に物を写してみている様なものです。
私たちの住むこの惑星、地球も表面積の約70%は水で覆われています。そのほとんどは海水ですが、氷河や淡水を合わせて、季節や天候によっては雨や雪、霧や露などと形を変化させながら、水は地球上を循環しています。まさに私たちは、水の惑星に生存する水の住人と言えるでしょう。また、日本は森林の国とも呼べるほど樹木にも恵まれ、水の恵みも豊かだったので、水を敬い、 稲作や日本庭園などに利用してきた伝統や水墨画や禊(みそぎ)など日本独特の文化を築いてきました。銭湯や温泉、毎日の入浴といった生活習慣でもわかるように、日本人にとって水は誠に重要で密接な存在です。
また、私たち自身が水の世界からやってきました。それはこの世に誕生した時から、とても馴染み深いものです。誰もが、経験してきました。覚えていますか?...そうです、お母さんの胎内です。十月十日ほどの月日を経て生まれてくるまで、薄暗くて暖かく、心地よい羊水のなかでお母さんの声、心拍、心情などを感じながら、ゆったりと安心して、まさに母なる海の中で過ごしてきたのです。私達がお風呂が癒しだと感じるのは、そんな記憶を無意識的に呼び起こし懐かしんでいるのかもしれません。
Water私たちが生きていくには水が不可欠です。人は4~5日以上は水なしでは生きて行けません。水は空気の次に大切な私たちの命の源なのです。脱水症状とは、わたしたちの命、そして人生にかかわることなのです。国際医療福祉大学大学院教授の竹内孝仁先生は「介護は水に始まり、水に終わる」というタイトルの自立支援介護のブックレットを出版されています。暑い夏だけでなく老年期には、特に脱水症による状様々な健康面への影響が出てきます。例えば、のどや口の渇きはもちろん、倦怠感、食欲不振、頭痛、情緒不安、しびれ、めまい、物忘れ、集中力の低下などがあげられます。長期的には血液がどろっと粘ってきたりして心筋梗塞や脳梗塞などの血管が詰まる病気や、腎不全などが懸念されます。ちょっと怖くなってしまうかもしれませんが、逆に言うと、水をしっかりと補給しているだけで未病ケアができます。お手軽ですね!一日中私たちのからだも地球と同じように水を循環させて、成人は一日約2.5リットルもの水分を尿や汗で放出しています。だからこそ、日ごろから積極的に、そして効果的に同量、またはそれ以上の水分補給を行いましょう。コツとして以下の点をお勧めします。

  • 朝一番にコップ一杯の水を習慣に:目覚めたときが一番脱水している状態ですから、まずたっぷりと潤いを養って素晴らしい一日に備えましょう。新鮮なレモンをひと絞りして加えることでさらに体をアルカリ性にもどし、免疫を高めるビタミンC や、爽やかな香りとともに健康促進効果倍増です。
  • ゆっくりこまめに摂取:一回に吸収される水分はコップ一杯200ml程度ですので一度に飲み過ぎないこと。水は様々な臓器を通して浸透していきますので時間をかけて吸収されます。特に起床時、運動後、入浴後、就寝時の摂取を心がけましょう。
  • 水そのものを摂取:アルコールやコーヒーなどカフェインが入った利尿作用がある飲み物を飲んだ時には、余計に水そのものを補給しましょう。二日酔い予防にもなります。
  • 体質に合わせて摂取する:むくみがちな方や冷え性の方は闇雲に水分を摂取すると、更に症状が悪化することがあります。白湯にしたり、スープとして飲んだり、または漢方医や自然医に相談し自分の体質に合わせた摂取方法を見つけましょう。
  • 生きたお水を飲む:東洋医学的には新鮮なお水を飲むことが一番よいとされています。気がめぐっているとされているからです。ボトル詰めされたお水はいつ、どこから、どれくらいの間そのままの状態であなたの前にやってきたのでしょうか?また、プラスチックのボトルの場合は有毒成分が溶け込んでいないか心配なところ。便利性などもありますから場合によって臨機応変に活用してください。*環境汚染なども気になるところですから、フィルターや特別な装置を設置することも安心につながるかと思います。
  • そのままの素材を大切にした食事を楽しむ:水分は野菜や果物にもたくさん含まれていますから食事も大切な水分補給の機会となります。便利かもしれませんが精製食品などではその過程で水分だけでなく栄養価までも失われます。季節の自然の素材をお味噌汁やお吸い物などのスープ、またはゼリーにして水分、栄養分摂取を兼ねてお楽しみ下さい。
  • 愛と感謝の気持ちとともに水を飲む:水と言うと、日本人にとっては当たり前の存在かもしれません。しかし、世界中で安全な水を安心して飲める国とは13~27カ国といわれており、本当に限られています。だからこそ、毎日その心配をせずに水が飲めると言うことは、とても幸せでありがたいことです。その気持ちが水にも伝わります。胎内でお母さんの気持ちを経験していたように、私たちの体内、細胞一つ一つまで、私たちの感謝の気持ちが浸透し体が喜んでくれるでしょう。

わたしたちの水との密接なかかわり、改めて考えてみるととても尊く、また神秘的な現象でもあると思いませんか?その水の不思議をわかりやすく、視覚的に教えてくれるのが水の結晶写真です。「水は情報を記憶する」という性質があるため、人や物事の様々な波動(エネルギー)を目に見える形にして教えてくれるのです。その研究をされていた江本勝先生の「水からの伝言」はそういった様々な水が教えてくれる大切なメッセージがこめられています。Water Crystal
私たちの命は、太古の昔から、森羅万象のものたちとの調和関係の中、まるで川が流れるかのようにつながれてきました。その過程で途切れなかったこそ今に至ることができていると言うのはとても素晴らしい奇跡のような事実です。母なる海から誕生し、母なる大地に生きる私たちには、これからもその大切な命の流れ、地球、自然環境、特に子供たちを守っていく責任も担っているのではないでしょうか。ぜひ、愛と感謝の気持ちで満たされながら、効果的な水分補給で潤いたっぷり、「ぴちぴち」元気で過ごしていきましょう!