Small Claims Court(スモール・クレームズ・コート、少額請求裁判所)に提訴する

* 以下の情報は、Community Legal Education Ontario (CLEO)より許可を得て、「Suing in Small Claims Court、Small Claims Court(スモール・クレームズ・コート、少額請求裁判所)に提訴する」(2017年4月発行)を翻訳・掲載しています。翻訳の質に関しては、Japanese Social Services が責任を担っており、CLEO の関与するところではありません。

今月の『On the Radar』の特集はSmall Claims Court(スモール・クレームズ・コート、小額請求裁判所)に訴えを起こす場合のインフォメーションです。これは「裁判の手続きの案内 (Steps to Justice)」のサイトでも取り上げられています。

Small Claims Courtで扱う案件

Small Claims Courtはほとんどのタイプの民事訴訟を扱っています。つまり次のような人がSmall Claims Courtに訴えることが出来ます。

-誰かがあなたに対して支払うべきお金を払っていない場合。例えば借金や賃金など
-誰かがあなたの所有物を奪ったり、失ったり、破損した場合。
-誰かがあなたとの契約を破った場合。例えば修理や改修工事をきちんとしなかった等。
-雇用主があなたを不当に解雇した時。
-あなたが買ったものが欠陥品であったり、表示と相違がある場合。

Small Claims Courtでの制約のうち、一番重要なことは請求額が$25,000までの件に限るということです。そしてほとんどの場合、初めて問題に気付いてから2年以内に裁判を起こさなければなりません。必要事項を書き込んだ裁判申請用紙や書類を裁判所に提出することを「提訴する」と言います。

他の解決法

裁判所に行く前に他の方法で解決出来ないか試してみます。例えば

- 何を何故要求しているのかを説明した催促状を送る。
-解決方法を他の人に相談する。
-解決を図るため、調停人を立てる。

こういった方法でも解決できなかった場合には、原告~訴えを起こす人~が裁判所に提訴するための準備をしなければなりません。

必要に応じた書類の収集

原告は自分の請求権を裏付ける書類すべてのコピーが必要です。何に対しての請求なのかによって以下の物も必要となることがあります。

-契約書
-事の経緯を説明するためのメールや手紙
-領収書及び配達伝票
不渡り小切手 (NFS Cheques)
-写真

原告は十分な枚数の書類のコピーを下記の目的で取っておく必要があります。

-自分自身の控え
-訴訟に添付するコピー
被告それぞれに渡すコピー

訴える個人または会社の正しい名前を使うこと

被告人それぞれについてフルネームを使い、正しい綴りで書くことが大事です。
訴える相手が会社や事業所である場合は正式な名前を確認するため「事業名サーチ」を使っても構いません。

適切な場所にある裁判所を選ぶ

原告はどの裁判所に提訴するかを決めなくてはなりません。これは事件が起こった場所、あるいは被告人がどこに住んでいるか、事業所がどこにあるかによって決まります。

訴状  (Plaintiff’s Claim) に必要事項を書き入れる

必要な情報や書類が揃ったら、訴状に記載せねばなりません。この訴状の記載方法については「提訴のしかた」に載っています。

裁判所に提訴する

以下の方法で提訴出来ます- オンライン、郵送、裁判所に書類を持参。
訴状提出手数料は通常95ドルです。
原告がこの費用もしくはその他の裁判費用が払えない場合、「登記官、事務官または執行官宛費用免除申請書 (Fee Waiver Request to Registrar, Clerk or Sheriff)」を提出して費用の免除 (Fee Waiver)を要請できます。

法律扶助を受ける

Small Claims Courtへ行くのに弁護士は必要ありません。しかしパラリーガルや弁護士に相談したい人もいるでしょう。その場合、次のような援助が受けられます。

-状況によって、何をすべきか、又、裁判所が決定する可能性のあることについての法的なアドバイス。
-裁判の過程に於いての支援、例えば規定用紙に書き込む際の手助け等。

低所得者は「Pro Bono Ontario(プロ・ボノ・オンタリオ)」から法律に関する援助を受けられる可能性があります。オタワやトロントでは 「Pro Bono Ontario」がSmall Claims CourtでDuty Counsel(デューティーカウンセル、 裁判所勤務の無料弁護士)を付けてくれます。又その弁護士がアドバイスしてくれたり、裁判で代理人を立てずに本人訴訟をする際に支援してくれます。
裁判の過程についての詳しい情報はオンタリオ州検事局の「Small Claims Court Guides to Procedures(スモール・クレームズ・コート手続きガイド)」に載っています。

原文:http://us4.campaign-archive1.com/?u=acaece29df8d07c95ef84a763&id=a153a0782d