JSSの皆様へ「健康ハンドブック」のご紹介、離任のご挨拶

Nakamoto在カナダ日本国大使館
医務官 仲本光一
2014年5月14日
JSSの皆様、今回は貴重な紙面をいただき感謝いたします。当館医務斑で概訳した「健康ハンドブック」をご紹介させていただきます。
私は2012年の1月末にタンザニアからオタワのカナダ大使館に転勤してまいりました。カナダの医療事情を調査する目的で各地の医療機関・クリニックなどを訪問させていただきました。カナダは日本と比べて医療機関へのアクセスが悪いということでご苦労されているのは、邦人の方ばかりではなく、カナダ国民の方も同じでした。そうした中、カルガリーの医師会は、有効な医療機関の利用のためのハンドブックを作成しています。これが、今回当方が訳させていただいたハンドブックの元である「Healthwise Handbook by Calgary West Central Primary Care Network」です。
医療機関の窓口で無駄な待ち時間を過ごすことのないように、「救急911を呼ぶべき時」、「医師に行くべき時」、「家庭での対応方法」が症状・疾患別に丁寧に記載されています。日本の家庭で昔重宝されていた「家庭の医学」のカナダ版であり、日本で失われつつある「おばあちゃんの智恵」であると改めて感心いたしました。カルガリー州の住民には無料で配布されているこの資料ですが、邦人の皆様にも利用していただきたいと考え、日本語に訳させていただきました。
症状・病名につき、英語では難しいという方のために、日本語による索引も巻末につけさせていただきました。ごく短期間に大使館医務斑の村上ゆりか秘書と当方で作業しており、プロによる推敲をお願いしていないため、訳語等に拙い面があるかもしれませんが、邦人の皆様にとって有用なものに出来上がったのではないかと自負しております。ダウンロードして印刷して電話台の横などにご用意していただく、あるいはiPadなどの端末に入れて、いつでもご利用できるようにしていただければ良いのではないかと考えます。
私事ではありますが、5月15日をもちましてカナダ大使館での任務を終え帰国、本省診療所に勤務することになりました。JSSでは、医療講演会、認知症キャラバンメイト研修などを担当させていただきました。今回ご紹介の「健康ハンドブック」を含め、多少のお役に立てたのであればありがたく思います。後任は、イエメンから転勤して参ります白石哲(しらいし てつ)医務官です。当方同様、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
健康ハンドブックHP:
http://www.ca.emb-japan.go.jp/JapaneseSite/Medical/index.htm