チョコレートの甘い誘惑と功罪

山崎ゆきJSS,e-newsletter, yuki yamazaki
甘~くて、食べるとうっとり幸せな気持ちになれる媚薬のようなチョコレート。その原料であるカカオに含まれるポリフェノールが体に良いと言われ、テレビや雑誌でも大注目!スーパーでは、美容・ダイエットに効果あり!と大きく宣伝されたカカオ度の高いチョコレートが一気に増えて、チョコレートダイエットブームが起こった程です。
美味しいチョコが美容と健康、ダイエットにも良いらしいと聞いて、毎日心おきなく食べよう♬ と大喜びで食べて飲んでいました。
その後、ホリスティック栄養学を勉強するうちに、メディアでは伝えてくれないチョコレートの負の部分を知ることになりショックを受けることに。 知りたくなかったかも・・という正直な気持ちも少しありましたが、自分や家族の健康と、日々口にする食の安全のためには真実(メリット・デメリット共)を知る必要があること。また、それを知った上で、私たち消費者は選択できるということを再度強く実感しました。
今回は、皆様が大好きなチョコレートに関するメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。まずはチョコレートのメリットから。
ポリフェノール(フラボノイド)
チョコレートの原料であるカカオは大量の『フラボノイド』を含んでいます。フラボノイドはポリフェノールの仲間で強い抗酸化作用があり、血管を柔らかくして血液をサラサラにする効果があり、その結果高血圧の予防効果が高いのです。
テオブロミン
カカオに含まれるアルカロイドの一種で、自然界では、ほぼカカオのみに含まれチョコレートやココアの苦味成分です。『テオブロミン』は心を静め、リラックスさせる効果があります。
その他、抗ウィルス作用、血行促進、動脈硬化予防と大活躍です。カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄分、カルシウムといったミネラルも含み、さらに食物繊維ビタミンEやナイアシンなどのビタミンも含まれています。
そんな良いことばかりのようなチョコレートにも残念ながら注意しなくてはいけない点があります。
―カカオはもっとも中毒性の高い食材である。
そんな中毒性のある芳香なカカオに白砂糖やミルクをたっぷり混ぜて作られるのがチョコレートです。特に精製された白砂糖は白い麻薬と呼ばれるほど中毒性が強く、もっと食べたくなります。
―チョコレートに含まれる白砂糖の害
精製された白砂糖はミネラルが皆無なので、代謝の際、身体からカルシウムやビタミンB群を消耗し、免疫低下やアレルギー疾患、子供のADHD(注意欠乏症)や、ムードスウィングを引き起こします。チョコレートに含まれる白砂糖は大変厄介なのです!
住民(ネイティブ)にとっての薬であるカカオは、緊急時の医薬、または神事に使用するのみで、常食はしません。(もちろん、砂糖やミルクを加えることもありません。)
―肝臓、腎臓への負担
肝臓にとって有害で、腎臓や副腎に刺激を与え、不眠症、震えや無気力を引き起こす可能性の高いカカオの油は、大変複雑であるため消化に時間がかかり、身体への負担が大きいのです。
―カカオ農園の現状 *(NHK世界のドキュメンタリー BBC放送より)
西アフリカのカカオ農園で、深刻な児童労働の実態が報告されました。児童労働は単なる農家の問題ではなく、不公正な貿易システムによって起こる根深い貧困が原因となっています。そんな中、FLO(国際フェアトレードラベル機構)やフェアトレード財団(Fairtrade Foundation)では、フェアトレードの利益を児童労働の根絶や、生活改善、また学校教育の充実に活用しています。消費者側である私達はこの事実を知った上でフェアトレード認証システムを支えていければと思います。
―愛犬への影響
ペットを飼われている方も多いと思いますが、チョコレートに含まれるテオブロミンは犬や猫のようにテオブロミンの代謝速度が遅い動物にとっては毒性が蓄積してしまい、中毒症を引き起こします。 消化不良、下痢や嘔吐、脱水症状や過度の興奮、心拍数低下、けいれんや発作により、最悪死に至る危険があります。 万が一、愛犬がチョコレートを誤飲してしまった場合は早急に獣医士に診てもらいましょう。
チョコレートにまつわる功罪、いかがでしたでしょうか。チョコレートはあくまでも嗜好品として、出来ればオーガニック&フェアトレードされたものを少量嗜んでみてください。質の良いカカオは少量でも心を満たしてくれると思います。
また、カカオの代わりとして、Carob(イナゴ豆)の粉やチップスもあります。
万人にとって良い食べ物というのは存在しておらず、スーパーフードと呼ばれる栄養価の高い食材であっても人によっては身体に合わないものも多々あります。
ご自身の身体に合う物合わない物、チェックしてみたい方はお気軽にご相談ください。
山崎ゆき
ホリスティック栄養学 ヘルスカウンセラー
shizen.cefe@gmail.com
ココア農家の現状
リソース
NHK BS世界のドキュメンタリー「甘いチョコレート 苦い現実」
制作:BBCイギリス 2010年
Paul Nison & Jeremy Safron 両者ローフーディスト(healthwatchman.com/ RawLifeHealthShow.com)