インフルエンザ予防接種
福島 朋子 看護師
毎年10月末ごろになると、オンタリオ州でインフルエンザの予防接種が始まります。インフルエンザ予防接種には数種類ありますが、主要なワクチンは6か月の赤ちゃんから64歳までの方が受けられる4価ワクチンと、65歳以上の方が接種する高容量3価ワクチンです。
カナダ政府の統計(Government of Canada)によると、毎年インフルエンザ感染で約12,200人が入院、約3500人が死亡しており、インフルエンザと肺炎がカナダ全体の死因トップ10に入っています。特に感染または悪化しやすい方は5歳以下の乳幼児と65歳以上の高齢者、また、糖尿病・心臓病・肺疾患などの持病を持つ方、また妊婦さんなどです。これらに当てはまる方とそのご家族はインフルエンザ予防接種が特に推奨されています。
また、若く健康な方でもインフルエンザから肺炎を発症し入院することもありますので、予防接種は欠かせません。コミュニティー内の集団免疫(Herd Immunity)を上げるためにも、予防接種は推奨されています。今年は特にCovid-19のパンデミックと相まって、両ウイルスに同時感染した場合の健康リスク増加や、発症による社会・病院施設などへの負担増加も懸念されています。Covid-19とインフルエンザの症状は似ているため、インフルエンザに感染するとCovid-19を疑わねばならず、結果として病院施設や学校・職場に影響が出ることになります。Covid-19のワクチンが接種可能になるまで、せめてインフルエンザワクチンだけでも接種し、ダブル感染によるリスクを防ぎましょう。
インフルエンザ予防接種(Flu-shot)はファミリードクター、パブリックヘルスクリニック、薬局などで接種が可能です。