健康: ストレスと病気
ネルソン・ベルティヤ パーソナルトレーナー兼、運動療法士
前号では生きていく中でストレスの軽減方法を学ぶことの大切さをお話ししました。今号ではストレスが長引くと私たちの心と身体に対してどのような影響を及ぼすのかについて更に詳しく説明したいと思います。最も重要なこととして、日常生活におけるストレスの一部を軽減することにつながるセルフケアストラテジーをお話したいと思います。
ストレスとは?
ストレスとは逆境または厳しい状況において生ずる精神的または感情的負担や緊張の状態のことを言います。医学的や生物学的には、ストレスは身体的または精神的緊張を引き起こす身体的、精神的、または感情的要因です。ストレスになりうる要因は環境や心理、または社会状況のような外的なものと病気のような内的なものがあります。
全てのストレスが悪いわけではありません。研究によると、短期間のストレスは免疫システムを強化することがあります。しかしながら、長引くストレスや慢性ストレスは免疫システムに、腫瘍増殖・腫瘍進行の増加などの深刻で悪い影響を及ぼすことがあります。重病を引き起こし悪化させることがあります。
慢性ストレスが心に及ぼす影響
- 倦怠感、睡眠障害
- 集中出来ない
- 怒りやすくなる
- 気分の落ち込み
- 不安
慢性ストレスが身体に及ぼす影響
筋骨格系
- 筋肉の緊張、筋肉痛、筋萎縮
- 頭痛
- 現在抱えている健康問題の悪化
呼吸器系
- 過呼吸(必要以上に強く早く呼吸する)
- 肺疾患(喘息や肺気腫などの)の患者に発作を引き起こす
心臓血管系
- 慢性炎症
- 血管が狭くなる、硬くなる
- 高血圧や脳卒中、心臓発作を起こすリスクが高くなる
内分泌系
- 糖尿病にかかるリスクが高くなる
胃腸系
- 下痢、膨満感、吐き気
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 食欲不振、過食
- 潰瘍
男性生殖器系
- テストステロン分泌低下
- 精子生産能力と精子成熟の低下
- 勃起障害
- 感染の免疫低下
女性生殖器系
- 無月経や月経不順
- 酷い月経痛
- 酷く怒りやすくなる
- 更年期のホットフラッシュが頻繁に起こったり、重かったりする
対応策
- 症状だけではなくストレスの原因を突き止め解消する
- 真の友人とつながる。自分の気持ちを彼らに話す。
- 専門のカウンセラーと連絡を取る
- 睡眠。毎日妨げられずに7時間から8時間の睡眠をとる。
- きちんと食べる。カフェインやアルコール、ニコチンなどの人工的刺激物を避ける。精製された砂糖は血糖値を急上昇させたり急降下させるため、そのことにより気分が変化しやすくなるので避ける。規則正しく時間をあけて食事をし、アドレナリン分泌を引き起こす血糖値の急降下を防ぐ。
- 運動。週5回有酸素活動を30分から60分行うようにする。
ランニング、サイクリング、ウォーキング、体を良く動かす家事、園芸、ハイキング、水泳、ダンス.。どんな運動でも開始前に必ずファミリードクターに相談してください。
- 心を休める。一日のうち幾ばくかの時間をリラックスや自分自身のために充てる。電話やパソコンを見ないようにする。
- リラックステクニックを使う:深呼吸、瞑想、楽しい場所を思い描く。血流を良くするために手足を伸ばす。
- 「完璧」を忘れる。他人と自分を比較することをやめる。
- 自分に不足しているものではなく自分が持っているものに心を注ぐようにする。
- 自分で変えられることと自分でコントロールできないことを見分けることを学ぶ。自分で変えられることを変えるようにし、自分で変えられないことについて気にすることをやめる。
- 敵意を持つことや怒ることを減らす。反応する前に10数える。
- 許す。恨みの感情をなくす。恨みの感情は自分自身にとって毒にしかならない。
- 日記をつける。
- たとえ短時間であっても、毎日自分が好きなことをする。
- 少し笑う。大笑いすれば、もっと良い
- 音楽をかけ、ボリュームを上げ、好きな歌をエンジョイする。
もし、長期間に渡って、ストレスレベルの高い状態が続いていたり、ストレスから生じた潜在的問題が日常生活活動に影響しているようであれば、JSSの公家孝典氏(kuge.takanori@jss.ca)のような有資格のメンタルヘルス専門家に連絡をとることが重要です。
素晴らしい一日をお過ごしください。皆さんにはその権利があります!