副会長の挨拶:JSSプログラムの質の向上をめざして

Dembo傳法 清
JSS副会長・プログラム委員会議長
2013年、JSSはプログラムへの参加に関する新記録を達成しました。参加者の総計は下記の表にあるとおり、過去六年間の最高である3247人となりました。

年度 プログラム参加者の総計
2008 1101
2009 1327
2010 2040
2011 2880
2012 3006
2013 3247

Table 1

JSSが催している10種類の異なるプログラムの中で、私たちは、良心的で一生懸命に働くボランティアの皆さんと、全カナダ日系人協会の2400ドルの補助金のおかげで、四つの子育てプログラムを拡充することができました。
私たちはチャイルドケア・サービスがあり、16回のセッションで構成された「カナダ実用英会話」のコースを年二回実施することができました。これに参加した人(主にお母さんと子どもたち)の累計は359人に上ります。また、3歳児の子どもたちやそのお母さんのための幼児教育グループ「ひよっこ」は8セッション、「母と子のためのヨガとダンス」も6セッション行うことができ、総計176人が参加しました。この補助金によって、日系会館の室料を支払うことができましたし、さまざまな新しい玩具や、2歳から5歳の子ども達向けの良質の日本語の絵本も購入することができました。また15冊の発達関係の日本語の教育図書もそろえることができました。現在プログラムに参加されている皆さんはこれらの本やおもちゃの恩恵に浴していますし、これからのクライエントにも役立っていくことでしょう。
1976-1977年の冬以来、最高に寒く厳しかった冬の時期(1月から3月の間)に、私たちは「ノーバディーパーフェクト」のプログラムを主に夫婦を対象に実施しようと努力しましたが、トロント保健所が親のグループワークを充実させるために設定した最低催行基準を超える参加者を集めることができませんでした。それ故、JSSは3月に本格開催の準備として情報説明会を行い、対象を日本語を話す母親とする形に変更しました。トロント保健所担当者と資格をもつJSSのファシリテーターのもと、JSSのコーディネーターやチャイルドケアのボランティアの努力で、2014年5月10日現在、三回のセッションを成功裏に積み上げています。9人のお母さんと10人の子どもたちが来てくれています。
私たちは各プログラムが終わるごとに、参加者やボランティアからのアンケート調査の結果に基づいてプログラムの評価を行い、プログラムの質を向上させる努力をしてきました。私たちのゴールの一つは、参加者にとってもボランティアにとってもより満足できるものをめざすことです。そして最も重要なことはそれぞれの子どもたちがそのプログラムを楽しむことができ、プログラムの期間中、或いはその後もそれぞれの家庭で親子で楽しいときをもつことです。
プログラム委員会の議長として私はなお、JSSには子育てプログラムについて克服すべき多くの課題があることを自覚しています。私たちはもっとボランティアがチャイルドケアに必須の訓練―例えばベビーシッティングや救命蘇生法の訓練-をJSSが費用を負担することによって受けることができる訓練機会を増やし、その上でボランティアにポリスの無犯罪証明を受けるように励ましていくべきだと考えています。そうすることを通して、チャイルドケアが必要なプログラムのための強固なボランティア組織を作り上げるべきではないでしょうか。この困難な課題に向け、JSSはすべての努力を傾注していきたいと思っております。
最後に、施設を提供してくださった日系文化会館や池端ナーサリーの皆様、質の高いサービスを提供して下さったJSS講師や献身的に働いてくださったボランティアの皆様、プログラムの内容を充実する為にご協力して下さった参加者の御父母およびお子さん達、本当にありがとうございました。 そして、2013-2014年の子育てプログラムの財政的な保障を与えてくださった、全カナダ日系人協会の皆様に心から感謝をしたいと思います。 ありがとうございました。