プログラム報告 〜2015年を振り返って〜

高野千恵(コミュニティ・アウトリーチ・ワーカー) ChieTakano
皆様こんにちは。プログラムと、ボランティア管理と、相談業務の一部を担当しているJSSスタッフの高野です。早いもので2015年も残すところひと月ほどとなりましたので、今年実施したプログラムのご報告をさせていただきます。
2015年はJSSを取り巻くさまざまな状況に変化が出たり制度変更が重なったりした為、ほぼ毎年実施してきた一部の育児支援プログラム(例:Toronto Public Health共催の「ノーバディーズ・パーフェクト」など)の提供は残念ながら叶いませんでした。しかしながら、障がいをもつ子どもを育てておられる親御さんの会「アムロを育てる会」は元気に継続中ですし、2014年に多くの方からのお問い合わせを受け試験的にスタートした「シングルマザー・サポートグループ」も最初の一期が4月に終了し、10月にはお子さん連れのアウティング(戸外活動)を実施し(寒い中ご参加ありがとうございました!)、来年度より月に1度の提供を目指し現在準備中です。
また、10年以上続いている「こんにちはプログラム」は、トレーニングを受けたボランティアさんが定期的にクライアントさんを訪れ、楽しくおしゃべりをしたり、散歩やアクティビティを一緒にしたりする、いわゆる友人のような関係を提供するものですが、常に5〜7名のクライアントさんがボランティアさんの熱心で温かな定期訪問を受けています。(※こんにちはプログラムでは、現在バーリントン市在住のクライアントさんに定期訪問してくださる方を募集中です。)
今年は単発セミナーの充実にも積極的に力を入れてきました。遺産相続に関する法律について学んでいただく「委任状と遺言状セミナー」や、もしも自分が意思表示できなくなったときの介護やケアに備える「アドバンス・ケア・プランニング ワークショップ」、認知症の方への接し方を学んでいただく「認知症キャラバンサポーター養成講座」を新移住者協会 NJCA (現、新日系コミッティー NJCC)など、コミュニティのみなさまにもJSSに触れていただける機会が例年より多く提供できたのではないかと思います。
また、他のコミュニティ・グループや非営利団体との協力により、できるだけ多くの人が参加し易いよう、JSSのロケーションを飛び出しての学びの場も設定してきました。例えば、子どもと性について話し合える環境を家庭内に作ることにより、子どもに相手の意思を尊重することの大切さや、何が安全で何が危険なのかを正確に伝えていく機会作りを目指すToronto Public Healthのプログラム「Raising Sexually Healthy Children」をAsian Community AIDS Servicesひだまりクラブと共同提供。毎年新たに到着するワーキングホリデーや学生ビザの若者をターゲットに、彼らが多く遭遇する賃貸物件のトラブルを解決・問題回避してもらうための「知って得するシェアハウス&アパート レントセミナー」や、日加の恋愛やデートに関する考え方の違いや「自分が許容できることとできないことのライン引きをし相手に伝えることと、その意思をお互いに確認し尊重し合うこと(Consent)」の大切さを学んでヘルシーかつ安全に出会いを楽しんでもらうための「カナディアン・デートカルチャー講座」を、JSSから派生したJapanese Visitors AssociationJapanese Canadian Student Association(トロント大学)とともに提供するなど、幅広く同時に相談の多いトピックを取り上げ、幅広い年齢層の方々にトラブルを回避するための知識やスキルを身につけていただけるようなセミナーやワークショップも企画実施してきました。
さらにまた、JSSに寄せられる相談に関連したトピックだけでなく、皆様が気兼ねなく集まり楽しんでいただけるようなプログラムもJSSは大切にしていきたいという想いを持っています。シニア世代の方やその世代を目前に ひかえた 方々が楽しく過ごしていただけるよう、サポート・ネットワークの強化を目指すプログラムにも力を入れ、「若返りクラブ」の継続は勿論のこと、時には公園に出掛けて俳句を詠む機会を作ったり、日本の唱歌や童謡をみんなで楽しく歌える場である「JSS歌の会」も発足しました。
従来より親しんでいただいている「クラフトクラブ」や日本食を調理しJCCCに集うシニアクラブを中心に提供する「ホットランチ」(9月より月1回となりました)では、サービスを受ける側の方々だけでなく、JSSボランティアの皆様も毎回楽しんで活動くださっており、コミュニティ内の相互サポートや元気のあるコミュニティ作りの一旦を担ってきていると言えるでしょう。
PROGRAM REPORTJSSのプログラムは、様々なことを兼任している1.2人のスタッフで管理しています。ご想像にかたくないように、これだけのスタッフではプログラム全てを運営することは不可能です。それぞれのプログラムには、企画運営に深く関わってくださっているコーディネーターさんをはじめ、多くのボランティアさんのサポートによってJSSプログラムが成り立っていることも、ぜひここで皆様に改めてお伝えしたいと思います。また、これをお読みくださっている皆様の中で自分も何かできるかなと思ってくださる方がおられましたら、ぜひJSS高野までご連絡ください。
JSSプログラムのハイライトである年末恒例の「ホリデー・ドライブ」は、ニュースレターにて別途ご紹介しております。今年も皆様の温かなご支援をぜひお寄せくださいますようお願いいたします。
2016年は、2〜6歳の子どもの行動に焦点を当て、子どもの行動のメカニズムと効果的なしつけを学べるToronto Public Healthの育児支援プログラム「Incredible Years」が日本語版では初めてJSSで1月末より、また「Nobody’s Perfect」も9月より実施が予定されています。2016年のJSSプログラムも盛り沢山です。どうぞお見逃しなく!!
※プログラムに関するお問い合わせや、こんなプログラムがあったらいいなというご意見などございましたら、ぜひお気軽にご提案やご要望をお寄せください。
連絡先
6 Garamond Court, Don Mills, ON M3C 1Z5
Tel: 416-385-9200
Fax: 416-385-7124
E-Mail: jss.outreach@gmail.com