会長からのメッセージ
アティヨタ佐藤由香
コロナ禍、パンデミックという言葉が使われるようになって、すでに1年が経過しようとしています。コミュニティの皆様も、さまざまな困難、ご苦労を経験されていることとお察しします。
まず初めに、2020年度ホリデードライブに皆様より多大なご寄付・サポートを頂きました事をご報告し、心よりお礼を申し上げたいと思います。詳細はについては、「2020年ホリデードライブ 結果報告と御礼 ( https://jss.ca/2020holidaydrive_thankyou/)」をご参照ください。
2020年8月に行われました総会でご報告させていただきました通り、長年会長職を務めたデービッド池田が退任いたしました。これを受け、2021年1月13日付で、ジャパニーズ・ソーシャル・サービス(JSS)の新会長に就任することになりました。
2019年6月にJSSに理事として参加してからはまだ日は浅いのですが、それ以前は、ソーシャルワーカーの岡本明子氏とともに、カウンセリングスタッフのスーパーバイザーを担当して参りました。私の本業もソーシャルワーカーで、ヘルスケアの分野で20年ほどの経験があります。20代後半で日本からカナダに移住して新米のソーシャルワーカーになったとき、同じ情熱を持った仲間や偉大な先輩に出会うことができたがこのJSSでした。学校を卒業し初めての仕事探しがうまくいかずに悩んでいたときに、クラフトクラブに通って手芸やおしゃべりの時間に励まされた思い出もあります。そんなJSSに、いつかは私も恩返しがしたいと考えておりましたので、クリニカルスーパーバイザー、そして理事のお誘いをいただいたときは、ようやくその時が来たのかと光栄に思うとともに気が引き締まる思いでした。 今回、そんな私がJSSの新会長に就任するにあたり、コミュニティの皆様に心からお願いしたいことがございます。それは、会員登録、更新およびJSS運営資金のためのご寄付のお願いです。JSSはご存知のように慈善団体であり、収入の大部分を政府団体からのファンディングとファンドレージング、そして皆様からの会費やご寄付に頼っております。コロナ禍の影響により、2020年は思うようにファンドレージングに取り組むこともできませんでした。JSSが今後も継続してコミュニティーをサポートしていくためには、皆様のお力が必要です。
個人的な話になりますが、5年前、友人の一人が若くして病で亡くなったとき、かけがえのないサポートを得られたのも、間接的にではありましたが、このJSSを通してでした。そのことを振り返るにつけ、今更ながら、この小さなエージェンシーが持つ、人々の人生へのインパクトの大きさを痛感させられます。私たちの多くは、生まれ育った日本からカナダに移住し、このカナダの地で、程度の差こそはあれ、家族や親戚、または地縁によるサポートも限られた中で生活しています。JSSが日本のご家族やご友人のかわりになることは到底出来ませんが、そういったものから遠く離れ、日々奮闘している皆様のお力に少しでもなれるよう、また相互扶助を促進する架け橋になれるよう、理事会のメンバーやスタッフ、ボランティアの皆さんと力を合わせて頑張っていきたいと思っております。今後とも、皆様のご支援をお願いいたします。
私は、JSSが、皆さんが気軽にサポートを求められる場所であり続けられることを願ってやみません。学校、職場、友人関係、職場、家族のことなど、長い人生の中、カウンセリングやサポートサービスが必要になることは時として誰にでもあることです。私も、かつてソーシャルワークを学ぶ学生だった頃、言語の壁、人間関係や勉強の辛さに悩み、カウンセリングを受けて救われた経験があります。サポートを受けることは弱さの証明ではありません。サポートの必要性を認識し、助けをもとめられることが、逆にその人の強さを表しているといえます。それと同時に、JSSが、皆さんがご自分の能力や時間、人を思いやる気持ちを発揮し、他のコミュニティメンバーと連携しあってともに生きる喜びを分かち合う場所であってほしいと願っています。
皆様おひとりおひとりと向き合い、様々な活動や対話をとおして、お互いを高め、コミュニティを創造し、さらには広く地域社会にともに貢献していくことができるよう、精進して参ります。どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。