第2回 認知症サポーターキャラバン 認知症サポーター養成講座

平賀里美: コーディネーターhiraga
昨年6月の第1回に引き続き、「第2回 認知症サポーター養成講座」を3月29日に日系文化会館2階のヒロコ・バラルルームにて開催しました。この度は、JSS並びにトロント新移住者協会が共催して、新移住者協会会員、またその傘下グループ会員の成人を対象として実施しました。参加者は介護経験者から初めて認知症を勉強する方など16名が受講されました。
以前にも紹介しましたが、「認知症サポーター養成講座」とは、認知症サポーターキャラバンの一環であり、認知症の人とその家族への応援者である認知症サポーターを多数養成し、認知症になっても安心して暮らしていける街づくりを目指し、日本で発足された厚生労働省の推進するキャンペーンです。サポーターの育成はすべてボランティアで行われており、多数のサポーターが日本各地、また海外ではアメリカ、ドイツそしてカナダで活躍しています。
プログラムはまず、新移住者協会原あんず会長の挨拶で始まり、続いてJSSより傳法清スペシャルオフィサー・コンサルタントが挨拶しました。その後、Momiji Healthcare society 看護師の岡田由佳さんによる“認知症の理解”についての講義が行われました。講義では認知症の種類や症状、進行の具合や対応の仕方などを具体例と共に分かりやすく説明して頂き、参加者の皆さんから「もう少し長く話を聞きたかった」など認知症に関する関心度がより高まったように感じました。
休憩を挟み、講義の後は新移住者協会会員で、キャラバンメイトでもあるボランティアの方々が役者になり寸劇を披露しました。内容は、認知症により物忘れが顕著になった友人への“好ましくない対応”です。この寸劇を題材に、どの様な対応が不適切であったのか、またどの様に対応をすれば良かったのかを、グループに分かれて話し合っていただきました。話し合いや発表では、たくさんの意見や質問が出て、また参加者自身が実際に経験した家族介護での葛藤や苦労などを共有して頂ける場面もあり、とても有意義な意見交換になりました。
最後は新移住者協会相談役の中山あつ子さんに挨拶をして頂き、認知症サポーターの証であるオレンジリングの贈呈と、修了証を授与し終了となりました。
高齢化が進む中で、たくさんの人が認知症に関心を持っていることは本当に心強い事だと、この第2回認知症サポーター養成講座を開催して改めて思いました。今後も引き続き、この講座を様々なコミュニティーを対象に開催していきたいと思っています。そしてこの講座を開催するに欠かせない存在である、キャラバンメイトボランティアの方々の惜しみない御協力と、より住みよい日系コミュニティーを目指しご尽力されている方々に鼓舞されながら、私自身もたくさん勉強し、日系社会の力になっていけたらと思っています。