JSSプログラム・ボランティア活動レポート 

高野千恵, RSW(コミュニティ・アウトリーチ・ワーカー)

コロナ禍でもコミュニティの皆さんが繋がれる場所をと願い、限られた内容や頻度ではありますが、オンラインプログラムを開始してから早くも1年が過ぎました。 

歌の会・クラフトクラブ・ホットランチ交流会・やさしいヨガなどのソーシャルプログラムをコーディネートくださるボランティアさん方もZoomという媒体に大分慣れ、利用下さる方々の増加に伴い、参加者みなさんがより心地よく参加できるようにするためのプロセスづくりや進行(ファシリテーション)スキルを学び活かしてくださるなど、大変ありがたいことに、これらの大きなコミットメントおよびステップアップを快く承諾し実施してくださっています。そんなリモートボランティアさん自身の孤立を避け作業負担を軽減するため今年に入ってから各プログラムではコーディネーターポジションを増やしてきました。彼らの熱意と要望により、ボランティアトレーニングの一環としてファシリテーション講座の実施を現在計画しています。シングルマザーの会も参加者が増え、以前にも増して相互支援の輪が広がっています。お休みしていたアムロを育てる会(発達障がいのお子さんをもつ保護者の会)も、ボランティアさんの協力によりオンラインでの再開に向け企画が始まりました 

モミジヘルスケア協会と共同で提供しているオンライン講座シリーズも、2人のソーシャルワーカーがシニアの孤立を和らげる目的で始めたところから、今では多彩なゲストスピーカーの皆さんや、通訳や当日のテクニカルなお手伝いをしてくださるボランティアさん方に大きく支えられ、6月に1年を迎えました。お寄せいただくご希望や皆さんに接してみえてくるニーズを元にゲストを探し依頼しており、6月には初のカナダ安楽死の法律をご紹介し多くの方々にご参加いただきました(録画版はこちら)。5月実施の「委任状と遺言状」、9月実施の「アドバンス・ケア・プランニング」と併せて、自分の人生に対する価値観・選択肢・希望を見つめなおし、友人家族や支援者に伝える機会としていただくことを目指しています。それと同時に、他の文化や簡単な料理に触れたり、健康維持免疫促進について学べる機会も提供し様々な方々(特にシニアの皆さん)に訪れてもらえるよう、幅広く充実したセミナー提供を心掛けています。 

 JSSプログラムは夏を境に毎年恒例のホリデードライブプログラムの準備に入ります。おかげさまでスタッフを支え共に運営して下さる今年の担当ボランティアさん二人も決まりました(毎年募集しています。興味のある方はご連絡ください!)。今年もコミュニティに寄付箱を設置させていただくことができませんが、秋頃には必要とされている方々に物資などを購入・お届けするための寄付をお願いさせていただきますので、その際はぜひまた暖かなご支援をいただけましたら幸いです。 

対面でのサービスではGTA在住でプログラム会場に来ることができる方々の参加がほとんどだったのが、オンラインサービスではオンタリオ州のあちこちの地域から、果てはケベック州やBC州、米国や日本に一時帰国中の方々に至るまで幅広くご参加いただいています。今後安全に対面を再開できるようになればどこかで対面プログラムを戻すことになりますが、資金不足のJSSのキャパシティは小さく対面とオンライン双方を同量で続けるということは難しいため、対面では参加できない状況におられる方が繋がれる場所を引き続き提供することが可能かどうかも含め、JSSには検討課題が多くあります。また、パンデミックとなってからコミュニティの方々から様々な共同企画のお誘いをいただきました。時間的都合から叶わないものもありますが、コミュニティを支援したいという皆さんの熱意と行動力を目の当たりにし、日系コミュニティの様々なグループや人々が集まればより多くの人々にサポートの輪を広げることができる、というコミュニティの強さと可能性を感じる日々です。これこそが、コミュニティを作る・コミュニティの力を高める(community development)、ということであると思います。今後ともぜひ、引き続きのご支援やご提案をお寄せいただけましたら幸いです。